近年、日本でも急速に拡大しているフードデリバリー市場。コロナ禍以降は、飲食店での食事を避け、自宅やオフィスなど屋内での食事を求める人も増えてきているように感じます。
こうしたニーズを持つ人たちに対して、様々なお店の美味しい料理をインターネット経由で受注し、自宅やオフィスまで送り届けてくれるのがフードデリバリーサービスです。
そして、このフードデリバリーサービスの中で「料理をお店から自宅やオフィスまでお届けする」という配送の部分を請け負っているのが、私たち軽貨物事業者になります。よって、当然のことですが、軽貨物事業を営む者にとって、フードデリバリーサービスを展開されている会社様は大切な荷主様になります。
そこで今回は、『くるめし弁当』や『シェフコレ』など、主に法人・団体向けのフードデリバリーサービスを展開している日本フードデリバリー株式会社の本間様に「軽貨物ドライバーや軽貨物業者に求めること」について、荷主様の立場からお話をお聞きしたいと思います。
本間様、よろしくお願いいたします。
【プロフィール】
本間 浩介(ほんま こうすけ)
飲食系勤務を経て、日本フードデリバリーへジョイン。コールセンター責任者として従事したのち、配送部門立ち上げに伴い、現在のオペレーショングループ配送チームへ。
「こんなドライバーだと嬉しい」と思うドライバー像やポイントは?
「お届け時間」と「お届け時対応」をしっかり守るドライバー
弊社が運営している『くるめし弁当』は、法人のお客様を中心にロケ、催事、会議等のビジネスシーンで大変多くご利用をいただいております。
ご注文者様は、お届け時間を30分~1時間の幅で指定できるため、多忙なスケジュールの中でも受け取りやすいと、大変お喜びいただいております。お届け時間の指定以外にも、お届け時に「到着時に電話してほしい」、「インターホンを鳴らさずに直接お届けしてほしい」、「ロケバスにお届けしてほしい」などの対応方法についてもご要望を承っております。
こうしたご利用シーンにあわせたお届けをすることで、お客様のニーズに応えることができ、お喜びいただけますので、これらの付加価値は重要なものと捉えております。そのため、「お届け時間」と「お届け時対応」をしっかり守り、確実に業務をおこなっていただけるドライバーの方だととても嬉しいです。
接客経験やホスピタリティの精神があるドライバー
サービスのメインの商品はお弁当ですが、ドライバーの身なりを含めた雰囲気や言葉遣いなど、接客時の品質もお客様から求められております。気持ちよくサービスをご利用いただけることでリピートにつながるため、接客経験やホスピタリティの精神があるドライバーだと嬉しいです。
「こんなドライバーは困る」というドライバーは?
時間管理ができないドライバー
集荷時間や納品指定時間など、配送業務は常に時間で動いております。
弊社サービスの場合は、『くるめし弁当』に掲載いただく加盟店様にも時間を守って集荷時間までにお弁当の準備をしていただいております。そのため、時間厳守の意識を持っていただけるドライバーに配送業務をお願いしたいです。
接客マナーに対する意識が低いドライバー
お客様はお弁当だけではなく、配達するドライバーの接客や対応もよく見られております。
せっかくご利用いただくので、気持ちよくお受け取りいただき、お食事を楽しんでいただきたいと思っております。お客様にお喜びいただくために、ドライバーのホスピタリティはサービスの品質を左右する重要な要素であると考えております。
弊社が実施するアンケートでも、「丁寧な対応をしてもらった」、「気持ちのいい接客だった」などの声をいただいておりますので、接客マナーに対する意識を持っているドライバーに配送業務を担っていただきたいです。
「業務を依頼したい」と思う軽貨物業者の特徴は?
繁忙期にも柔軟な対応ができる軽貨物業者
年間を通して注文件数は流動的ですが、サービスとしてできるだけ多く受注したいため、繁忙期にも車両をしっかりと手配いただける軽貨物業者は頼りになります。
サービスとして求める品質をドライバーへ周知していただける軽貨物業者
サービスの品質に対する認識をドライバーへしっかりと周知してくれて、サービス従事者としての自覚を共にもって取り組んでいただける軽貨物業者に依頼したいです。
「こんな軽貨物業者は困る」と感じる軽貨物業者の特徴は?
トラブル発生時にスムーズに連携が取れない軽貨物業者
納品遅延や商品破損など、日々様々な配送トラブルが発生いたします。
その際、お客様にも状況の説明や代替案の提案をおこなうなど、お客様のリスクを最小限にとどめるための対応を弊社オペレーターがおこなっております。軽貨物業者にも迅速な状況把握や報告、ドライバーへの適切な指示をおこなっていただけないと、お客様に対して適切な対応がおこなえず、ご迷惑をおかけしてしまいます。そのため、スムーズに連携が取れる軽貨物業者は大変心強いと感じます。
事前の連絡や情報共有が社内でできていない軽貨物業者
弊社からの業務的な情報共有において、ドライバーへの周知事項などをお願いすることが多々ありますが、それらは業務をおこなう上で大切な情報となるため、速やかに周知していただかないとトラブルやクレームに繋がる可能性があります。ドライバーへの周知が徹底されていると、私達も安心して配送業務を依頼させていただくことができます。
お客様からの配送に関するご意見にはどのようなものがありますか?
- 指定時間内に届いた
- 希望したお届け時対応をちゃんとおこなっていただけた
- 接客が丁寧で安心した
- 指定した場所まで運ぶのをお手伝いしてくれた
- お届けが指定時間より早い/遅い
- 嫌な臭いがした(タバコなど)
- 希望したお届け時対応をおこなっていただけなかった
- 態度が悪く、言葉遣いなども不愉快に感じた
- 連絡が来たものの段取りが悪く、なかなか指定の場所で落ち合えなかった
- お弁当の中身が崩れていた(破損していた)
軽貨物運送業界全体に対してのご意見や要望、期待することは?
物流は世の中の様々なサービスに関わっており、そのすべてに“ドライバー(運ぶ人)”が存在します。
AIやロボット化などが著しく進歩する現代であっても、人でなければ生みだせない価値やサービスを創出するために、ドライバーの存在はいまだ不可欠です。
モノを場所から場所へ運ぶ役割はもちろん、様々なサービスの担い手としてドライバー自体の価値が向上していくことが多分にあると思います。
また、前述のようなサービスへの貢献と接客やホスピタリティなどによって “人“としての価値を最大化させることで、ドライバーという職業が、「ただ運ぶだけ」の職業ではなく、様々な産業を盛り上げる立役者にもなれると思います。そのようなドライバーが増えていくことは、フードデリバリーサービスを運営している私達にとっても嬉しい限りであり、共によりよいサービスを作り上げていける事を期待しております。
まとめ
本間様、ありがとうございました。
「軽貨物ドライバーや軽貨物業者に求めること」についてお話をお聞きし、
お客様により良いサービスを体験していただきたい
という強い思いを感じました。
その中でも、実際にお客様に商品をお届けするドライバーが、サービスの品質や印象を左右するとても重要な存在であることを再認識しました。
MIRAISは荷主様、ドライバー様と協力しあい、人々が笑顔になるサービスを社会に提供し、軽貨物運送業が今以上に尊重される社会を目指していきます。
取材協力
日本フードデリバリー株式会社
https://www.jfd.co.jp/
【運営サービス】
くるめし :https://www.kurumesi-bentou.com/
シェフコレ:https://www.chef-colle.com/