日常生活を支えるために、日々、数え切れないほどの商品が軽貨物運送を通じて配送されています。言うまでもなく、その物流において極めて重要な役割を担っているのが軽貨物ドライバーです。
大切な役割を果たしている軽貨物ドライバーですが、時には配達中のトラブルや誤解などからクレームが生じることもあります。では、軽貨物ドライバーとして、こうした状況の中でも信頼関係を維持し、さらには、こうした状況をより信頼を得ていくための機会と変えるためには、クレームをどのように捉え、そして、どのように対応していくことが必要なのでしょうか。
今回は、軽貨物ドライバーのクレームに対する正しい心構えと対応方法についてお話します。
クレームの正しい捉え方
まず、クレームは単なるお客様からの「文句」ではありません。提供したサービスと顧客の期待とのギャップを示す「信号」と捉えることができます。
軽貨物ドライバーとしてはそのギャップを埋めるために、常に配送ルートの最適化や配送時間の遵守、品質管理の向上に力を注ぐ必要があります。
しかし、自分でどれだけ万全を期したと思っていてもクレームが発生してしまうことはあります。その時に、「文句」とネガティブに捉えるか、期待感を示す「信号」とポジティブに捉えるかで、その後の自身の配送スキルの向上度合いは変わってくるはずです。
クレームを「成長の糧」にできるよう、正しく捉えていくマインドが大切です。
クレームを“チャンス”に変えるための心構え
クレームと聞くと、「お客様にただただ謝る」というネガティブな意識を持つ人が多いかもしれません。しかし、見方を変えると軽貨物ドライバーとしての責任感や誠実さを表すことで、荷主や配送先のお客様との関係性を築き上げるチャンスの機会とも言えます。
前述した通り、クレームを前向きに捉え、サービス改善の機会として、さらには、信頼関係を築くチャンスとして受けとめる心構えが必要だと思います。
クレームを受けた時の適切な対応
仕事中にクレームに直面すると、その対応が求められ、通常業務が滞ってしまうため困惑しがちですが、そんな時こそドライバーの対応力が試されます。
クレームの内容によって対応方法は異なりますが、まずは迅速に関係各所に報告・連絡することを心がけましょう。そして、お客様の話をしっかりと聞き、何について不満を感じているのか、何を望んでいるのかというお客様の要望を適切に把握してください。この要望を正しく把握していないと、その後に対応策をとったとしても、お客様が納得いく結果とはズレてしまう可能性が高くなってしまいます。こうしたズレを生まないためにも、話を聞く際は焦らず、メモを取りながら聞くことも大切です。また、要望に沿った対応策をとった後も、改めて問題が解決されたか最終確認を行うようにしましょう。
クレームが発生しても、決して感情に流されず、事実を整理し、冷静に適切な対応を行うようにしましょう。
※請け負う仕事によっては、あらかじめ荷主側でクレーム対応の流れが決められているケースもあるので、その場合は必ず荷主の指示に従うことを優先してください。
クレーム発生に備える
どれだけ注意をはらいながらお仕事をしていたとしても、クレームの発生をゼロにすることはなかなか難しいことです。ですので、瞬時に適切な対応をとることができるように、自身の経験をもとにクレーム対応の流れを事前に定め、いつでも対応できるようにシミュレーションをしておくことが大切です。
配送スキルやコミュニケーションに自信をもつことは必要なことですが、「自分は大丈夫だ」と過信しすぎると、万が一の時に対応を誤ってしまうかもしれません。クレームが発生しても、いつでも適切な対応がとれるように日頃から万全の準備をしておきましょう。
まとめ
クレーム対応は、配送業務をしている中では起こり得ることであり、また、顧客満足度にも深く関わる業務でもあります。マイナスのイメージを抱きやすいクレーム対応ですが、ポジティブに捉えて適切に対応していくことで、“チャンス”に変えられる可能性は十分にあります。
読者の皆様が今後の配送業務においてこの記事の内容を活かし、多くの顧客により良い配送サービスをできるよう努めていただけたら幸いです。
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