MIRAISグループでは社員のスキルアップを目的として、「人事部セミナー」と「情報保護セミナー」の2種類のセミナーを月ごとに交互に開催しています。「人事部セミナー」では、働く上で発生する様々な状況への対処法や向き合い方等を学び、「情報保護セミナー」では、個人情報保護の基本的な知識等を学んでいます。

また、セミナーを担う「講師」は社員の中から担当者を決めて実施しております。「セミナー」というと、どうしても“受ける側”のスキルアップを意識してしまいがちですが、講師を社内の者が担うことによって、“教える側”にとっても能力向上を期待できると考えております。

今回は、各セミナーの担当者から「社内セミナーに対する取り組みと想い」についてお話していただきました。

トークメンバー

加賀谷 徹(かがや とおる)
MIRAIS 戦略人事部 部長
    草間 政好(くさま まさよし)
    MIRAIS Tech マネージャー

      社内セミナーを始めた経緯について

      ーー編集部:それぞれのセミナーはどういった経緯で始まったのですか?

      加賀谷:2017年に「社会人としての教養を養う」ことを目的に、役員が社員セミナーを開始したことを起源としており、その後、人事部としても「セミナーを年間5回開催する」という目標を立てて、定期的におこなうようになりました。私を含めた社員全員がそれぞれ少しずつでもスキルアップすることで、「会社の成長につなげていきたい」という想いで取り組んでいます。

      mirais-kusama

      草間:私の方は2017年の「個人情報保護法改正」によって、全ての民間事業者が個人情報取扱事業者の対象になったことがきっかけです。これを契機にMIRAISグループにおいても個人情報保護に対する知識レベルの向上を目的としてセミナーを開始し、2021年から本格的に「情報保護セミナー」を定期的におこなうようになりました。
      私は以前から、「個人情報保護の社内ルール設定」の担当だったこともあり、セミナーも私が担当させていただく形になりました。「情報保護セミナー」は、年間3~5回を目標として開催しています。私は他業界から転職してきましたが、軽貨物業界は宅配現場等で直接的に個人情報を取り扱うにも関わらず、個人情報に関する理解度や漏洩への危機意識については決して充分だとは感じられなかったので、そういった部分をしっかりと身につけてもらいたいと思って取り組んでいます。

      加賀谷:人事部としても、労務環境等に対する軽貨物業者の“意識”は低いと感じる時が多
      々ありますね。

      編集部:個人情報保護や労務環境に対する知識不足・意識不足は、業界としての課題なのかもしれないですね。

      段取りについて:テーマ選定・資料作成

      ーー編集部:次にセミナーを実施するまでの段取りについておうかがいしたいのですが、テーマ選定や資料作成等はどのようにされていますか?

      草間:セミナーの2週間前までを目安に資料を作成して、テーマや内容について役員に確認していただきます。必要であれば打合せも行い、会社の方向性とズレていないか、しっかりとすり合わせをしています。

      テーマについては、年間計画で内容の大枠は決めていますが、セミナー中のみんなの反応や小テストの結果からみえる理解度によって、次回のセミナーの内容を最終的には決めるようにしています。

      加賀谷:私は1か月前くらいから情報収集をして、資料作成に入り、2週間前に資料の内容や流れを役員に確認してもらいます。「人事部セミナー」は1回完結の形式にしていて、仮に受けられない回があったとしても、前回と内容がつながらないといったことがないようにしています。

      テーマに関しては、年間でやりたいことをいくつか考えておいて、タイミングをみて出している状況です。できるだけ役に立つ情報やタイムリーなテーマになるように選定しています。また、「パワハラ防止法」により、パワハラに関する研修等の実施が義務付けられたので、それは必ず入れるようにしています。

      ーー編集部:資料作成後、実際に模擬演習等をすることもあるのですか?

      草間:私はほとんどしないですね。ぶっつけ本番です(笑)。 

      加賀谷:私はかなりやります(笑)。ぶっつけ本番でやると、自分が何を喋っているのかわからなくなっちゃうことがあるので…少しでも自分の中で余裕をもつために練習はしています。

      ーー編集部:練習はどのようにやっているのですか?

      加賀谷:基本的には、家で妻や娘に聞いてもらって練習しています。「全然、何を言ってるかわからない」等、厳しいことを言われることもありますが、、、でも、実際に聞いてもらうことで客観的な第三者の意見を聞く機会にもなりますし、自分がどこで詰まるか等の“気づき”を得ることもできるので、家族に協力してもらって楽しく練習しています。

      セミナー内で気をつけていることや大事にしていること

      ーー編集部:次に、セミナー内で気をつけていることや大事にしていることは何かありますか?

      草間-政好(くさま-まさよし)

      草間:“端的でわかりやすい言葉で伝える”ということを意識しています。私は横文字やビジネス用語を多用してしまう傾向があり、周りに伝わっていない場合があったりするので、言葉の選定はすごく気をつけるようにしていますね。
      あとは“資料を見て進める”というよりは、“皆の顔を見て進める”ことも意識するようになってきました。セミナーの内容についての理解度や興味度合いは、顔を見ていると感じ取ることができます。私から見て、理解度が低いと感じられた時はスピードを落とし、しっかりと説明するようにしています。そうすることで予定していた内容が全てできないこともあるのですが、あくまで時間内に終わらせることが目的ではなく理解してもらうことが重要なので、他の項目を削ることになったとしても、理解度を高めることを大切にして進めています。

      加賀谷-徹(かがや-とおる)

      加賀谷:私が大事にしているのは「話す」のではなく、「伝える」ということです。それが実はものすごく難しくて、日々悩みながら内容を考えています。MIRAISグループのみんなは、セミナー直後からテーマに関する内容を話に出してくれたりするので、「伝えられた」実感を得られた時はすごくうれしいですね。知識を得るためには、まずはその知識に関して触れる機会を増やし、「新たに知る」ことで少しずつ興味をもってもらうことが大切だと思っています。その機会を提供することこそが、社内セミナーをおこなう意義だと思いますので、「伝えられた」実感を得ることができる、そういったセミナーを繰り返していくことができたらいいなと考えています。

      あともう一つは、時間の経過とともに社会情勢も様々変化していく中で、“今”に限定するのではなく、“将来”みなさんの役に立つセミナーになるようにということも強く意識しています。

      今後の取り組みについて

      ーー編集部:今後に関しては、どのような想いで取り組んでいきたいと考えていますか?

      加賀谷:今後も「伝える」ことが一番のキーワードになってくるかなと思っています。自分が「伝えられる人」になることが、MIRAISグループが成長する上で重要になるという意識で取り組んでいきたいと考えています。

      社員みんなの時間を頂戴している上、私個人としても業務として資料作成等の時間を取ってセミナーをやらせていただいている以上、このセミナーが将来的にそれぞれにとってプラスになるものでなければいけないと思います。そのためには、自分の「伝えるスキル」の向上はマストだと思いますので、誰よりも専門的な知識レベルを上げて、それを「伝えられる」ように責任感をもって取り組んでいきたいです。

      草間:私の場合は、私のセミナーを受けている方の中から「セミナー講師をやりたい」と思う人がでてくるようなセミナーにしていきたいと思っています。セミナー前には伝えたい内容や周辺知識についてしっかりと勉強をします。これは自分にとっても、良い“学びの機会”になっています。私以外にもこういった“学びの機会”を経験する人がグループ全体から出てくれば、企業の成長につながっていくと思います。間接的かもしれませんが、MIRAISグループの成長に貢献していけるように今後も取り組んでいきたいと考えています。

      まとめ

      セミナー風景

      今回は、セミナー担当者の「社内セミナーに対する取り組みや想い」について迫っていきました。セミナー本番に向けての準備やセミナー内で意識している部分については、担当者によってそれぞれ“色”があり、大変興味深い内容でした。

      共通していることは、「MIRAISグループの成長に貢献する」という想い。今後も継続して社内セミナーを取り組んでいくことで、社員一人ひとりが成長し、そして、MIRAISグループの成長へと繋がっていくと思います。また、『配送王』は“軽貨物業界の社会的地位向上”を目的としているので、業界全体の知識レベル向上を図る上でも、この記事を通して社内セミナーに興味をもつ軽貨物業者がでてきてくれたら幸いです。