軽貨物ドライバーにとって、仕事中の様々なリスクに備えるためにも保険への加入は欠かせません。そのため、自身を守るために加入しておくべき保険の種類や、保険商品を選ぶ際のポイントを把握しておくことは、軽貨物ドライバーとして極めて重要なことであると言えます。

そこで今回は、MIRAISの業務委託ドライバーさんも多数お世話になっている保険代理店、株式会社Styleの浜平様に、軽貨物ドライバーが知っておくべき保険に関する情報について教えていただきます。

浜平様、よろしくお願いいたします。

株式会社Style-浜平さん
プロフィール
株式会社Styleロゴ

浜平 健作(はまひら けんさく)
株式会社Style

1973年生まれ。鹿児島県出身。
大学卒業後、ゴルフ業界で約15年勤務。朝早くからのグリーン刈りやキャディ業務、レストラン業務、フロント営業業務、バッグのポーターなどを経験。現在は、保険代理店である株式会社Styleにて主に営業を担当。

まず、保険自体の重要性について教えてください。

軽貨物ドライバーに限らず、保険は私たちの生活において非常に重要です。日常生活の中で、朝に家を出てから帰宅するまでの間には様々なリスクが存在します。

家を出て通勤中に事故に遭うかもしれない、それが歩行中なのか電車移動中なのか、自動車事故なのか、自転車事故なのか等、色々と考えられます。私達は考えうるあらゆるリスクに備えるために保険が必要だと考えています。

しかし、保険には多くの種類があり、必要のないものにお金を費やすのは望ましくありません。そのため、私たちはお客様の状況をヒアリングし、必要な保険を提案することを大切にしています。

様々なリスクに対処できるよう月々の保険料とのバランスを考えた上で、適切な保険に加入することをおすすめいたします。

軽貨物ドライバーにおすすめの保険はありますか?

自動車保険の事故案件ですと色々な補償を受けることができますが、それ以外でおすすめの保険としては、生命保険では「就業不能保障保険」や損害保険ですと「所得補償保険」などがあげられます。

就業不能保障保険について

就業不能保障保険は、働けなくなったときに受け取れる保険で、保険期間を予め決定し保障を提供します。加入時の年齢により保険料は異なりますが、加入後は一定の保険料となります。免責期間は60日や180日などと長いですが、設定された免責期間経過後も就業不能状態が継続しているときに保険金を受け取ることができます。受け取り開始後は就業不能が続く限り、保険満了まで受け取ることができます。

所得補償保険について

所得補償保険も就業不能保障保険と同様で、働けなくなったときに受け取れる保険ですが、一般的に保険期間が1年で自動更新となります。

契約者様の年齢により保険料が変動し、保険会社にもよりますが、だいたい5歳毎に保険料が上がっていく仕組みになっています。保険給付金額は、日額や月額で設定が可能ですが、会社員(健康保険)、個人事業主(国民健康保険)、公務員(共済組合)などで設定可能な金額の上限が変わってきます。

就業不能保障保険と比較して、所得補償保険は就業不能後の免責期間が3~7日と短いため、早い段階で保険金を受け取ることができます。ただし、保険金を受け取れる期間が就業不能保障保険よりも短いため、自身の状況に応じてどの保険が最適かを検討し、ご加入を検討されることをおすすめします。

保険を選ぶ上で、どのようなことに注意すべきですか?

保険は、給付時に制約があることがあります。色々な特約などがあったり、免責事由で給付対象外と約款などに記載があったりするので注意が必要です。

他に注意すべき点としては、安価な保険はやはり手薄な補償しかない場合が多く見受けられます。そのため、保険に加入する前にどのような補償が必要で、それを充分に満たしている保険になっているかを確認することが重要です。

保険料は高くなるかもしれませんが、できるだけ手厚い補償があるものをおすすめします。

実際にあった、困ってしまった事例はどのようなことですか?

やはり、契約者様との連絡が取れなくなったり、保険料の引き落としが滞ったりすると困ります。

あるとき、自動車事故を起こされた方がいて、相手への給付(対人補償)や自身のケガ(人身傷害)、車両の修理等で保険会社の事故担当と折衝していたのですが、その方の前月の保険料が引き落とされておらず、保険給付が速やかにできないことがありました。

保険料を節約したい軽貨物ドライバーにアドバイスはありますか?

自動車保険に関しては、特約などを付加すると保険料が上がっていきます。必要な特約を選んでいるとは思いますが、重複しているような特約や実際は必要なくても担当者に勧められるままに加入してしまっている特約が含まれている可能性もあるため、一度ご自身の補償内容を見直してみることがおすすめです。

また、車両保険の契約方式(一般条件、エコノミー車両保険など)の見直しも一つです。例えば、単独事故時の補償が不要な場合、エコノミー車両保険に切り替えるか、車両保険自体を外すことで保険料を節約できます。

また、事故が発生した際に保険を使用するかどうか迷った場合には、次年度の概算保険料(差額)案内を取り寄せるのも一つの方法です。実際に保険を使用すると、次年度の保険料が上昇することがほとんどですので、使用する前に次年度の見積もりを確認して保険使用の検討をすることをおすすめします。

ただ、節約方法としてのベストは、事故を起こさず、等級を毎年あげていき、最大等級20等級を目指すことです。

まとめ

浜平様、ありがとうございました。
保険は私たちの生活において必要不可欠です。特に個人事業主の軽貨物ドライバーの場合は、事業を継続するための自動車保険だけではなく、事業継続が困難になった場合の備えとして就業不能保障保険や所得補償保険への加入も検討するなど、自身で日常の様々なリスクに備える必要があります。

改めて今の保険内容が自身にとって最適なものになっているかを見直し、リスクに対して万全の備えをしておくようにしましょう。

本記事が、適切な保険を見つける手助けになり、軽貨物ドライバーの生活と仕事を守るための一助になれば幸いです。

株式会社Styleの浜平様

取材協力

株式会社Style
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