今回は、MIRAISでYouTubeやオウンドメディアといった各種メディアの運営を担っている米光担当に話をうかがいました。MIRAISのメディア担当になった背景や入社当初の苦労、さらに、これからのメディア担当としての自身の役割などについて話していただきました。ぜひ、ご覧ください。

米光さんプロフ
プロフィール

米光友行(よねみつ・ともゆき)
株式会社MIRAIS メディア事業部

2006年、大学卒業後、主に印刷業界で営業職を経験。2021年、株式会社MIRAISに入社し、MIRAIS公式YouTubeチャンネル『しごとの授業』やオウンドメディア『配送王』の運営を担当。

「YouTubeの編集をしてほしい」

米光さん

これが筒井副社長から入社前に担当業務を伝えられた時の言葉でした。“頭が真っ白になる”という表現はよく用いられますが、この時は何の話を聞きに来たのかわからなくなるほどの衝撃があったことを覚えています。
その日の私は、新しい会社で新しい業務をするにあたり、少しでも不安を払拭しておきたいと考えており、「わからないことは質問しよう」という基本に忠実な姿勢で話を聞きにきていました。ところが、業務を伝えられた後、何を質問すればいいのかわからない…。
どういった質問をして、何を明確にすれば、この不安な感覚を取り除けるのかわからない…。正直に言ってしまうと、話を聞きに来る前よりも不安が大きくなる、そんな感覚がありました。
私は主に印刷業界で営業職を約15年間やってきました。営業をやっている頃は外に出ている時間の方が圧倒的に多い毎日でした。MIRAISでは「内勤で仕事をしたい」という希望があり、事前に伝えてはいましたが、「YouTube編集」という業務は今までの私の職歴から考えると未知すぎる領域の業務…これからどうなっていくのか、この時は全く想像がつきませんでした。

編集をやってみて

始まってみて改めて感じたことは…「やはり、何もわからない」ということでした。動画編集のスキルはもちろんのこと、目標に対して一日の作業進捗率は良いのか悪いのかの見当もつかない。一日の流れ、ペース配分、そもそも何が分からないのかがわからない…。
入社当初はこのような状態で日々業務をおこなっていました。
それでも数か月経つと一日に可能な作業量が把握できてきて、編集スケジュールも構築できるようになり、自分のリズムで仕事を進めることができるようになってきました。
編集スキルの面でも日々向上してきて、自分のイメージに対して、そのイメージ通りの編集ができるようになっていきました。この時期は自分の編集のスキルアップを実感することができ、モチベーションも高まりました。
編集業務は時間と労力を要する作業であり、細部への注意や緻密な作業が求められます。一つの動画を完成させるには、多くの素材(イラストや効果音)の中から動画に適したものを一つ一つ選び、編集する必要があるからです。また、素材の整理やカット箇所の選択、テロップの入力など細かい作業を正確にこなすためには忍耐力と集中力も必要となってきます。
自分自身もこの仕事をやっていく中で気づいたことですが、こういった業務の性質は、私の性格と相性が良かったのだと思います。元々“モノづくり”は好きでしたし、少しずつ積み上げて目標を達成していく作業も自分に合っていました。
動画編集をやることになってからは、勉強のために様々なYouTubeを観ました。「動画編集の勉強」という観点から様々なYouTubeコンテンツを見ていて気づいたことがあります。

それは、一本の動画は企画の大きな柱の部分が非常に大事な要素であることはもちろんですが、それと同じぐらい細かな作業も動画全体のクオリティに影響を与えるということです。カットの仕方、効果音の種類と入れるタイミング、テロップの正確性など。こういった細部への注意や緻密な作業の重要性に気づき、さらに、この作業におけるポイントに私自身が自然に取り組むことができたことから、徐々に仕事への興味が深まり喜びも見出せるようになっていきました。

中断期間

米光さん

一方で、私は常にひとつの疑問を抱えていました。それは「自分の仕事は誰かの役に立っているのか」という疑問です。

営業職をやっていた頃はお客様から依頼を受けて、製品やサービスの提供をするという役割を常におこなってきました。製品の納品後に喜びの声を聞いたり、時にはご指摘をいただいたりなど、直接的に成果や反応を感じることができました。しかし、このYouTube編集の仕事では当初、それらを実感することは難しく、漠然とした焦燥感を感じていました。
私がこの感覚を感じ始めた頃、チャンネルとしても登録者数が停滞してきており、リニューアルするために配信を一時的に中断することになりました。今振り返ってみると、この中断期間は自分にとって非常に重要な時間だったと思います。この中断期間に、前述の自分の感情の“壁”に対する打開策として、大きく二つのことに取り組みました。
まず一つ目は具体的な目標を設定し、それに向かって集中し、邁進することです。具体的な内容としては、リニューアルのために専門家の方にアドバイスをいただき、そのアドバイスを生かした上で動画構成の再構築作業を完遂することです。それには編集ソフトの入れ替え、それに伴う編集スキルの再習得、編集スケジュールの再構築などが必要になってくるため、それら個々に対してのアプローチをおこないました。専門家の方からのアドバイスは当初こそ、受け入れることに対して様々な葛藤があったものの、自分だけ、社内だ
けでは気づくことができなかった視点や、新しいアイデアを教えていただく非常に良い機会になったと思っています。

二つ目は、「なぜこのYouTubeの動画制作をやっているのか」という意義を改めてしっかりと認識することです。
「世界中の人々を笑顔にする」私はこの会社の使命に非常に共感しております。会社のこの使命を果たすための重要な取組みの一つがYouTube配信です。MIRAISのYouTubeコンテンツ『しごとの授業』には様々な職業の実態を紹介していくことを通して“個”と“職”のミスマッチを防ぎ、「働く人を笑顔にする」という目的があります。会社使命に大きく寄与するこの取組みに私自身が深く関わる中で、自分はいかにして“世界中の人々を笑顔にできるのか”。
こうした会社使命と自身の繋がりを再認識することで、日々の作業が単なる作業ではなく、会社の大きな目的を達成するための重要な一部であると実感することができました。業務を通して、会社使命を実現するために必要なことと向き合い、それを乗り越えていく、あるいは乗り越えるための努力を続けるということの大切さと意義に改めて気づきました。
この気づきの成果を数字で表すことは難しいことではありますが、こういった意識をもてるようになったことは、中断期間に得られた今後にも繋がる大きな成果物であると思っています。

♯Shorts新企画

意識の向上はできてきたものの、依然としてチャンネル登録者数や視聴時間などの数字の部分は自分の想いとは裏腹に思うように伸びてくれません。その状況を打開するため、次は新企画の構想に着手します。
新企画の構想についてはYouTubeの制作メンバーと会議を何度も重ね、本当に様々な角度から考え、検討しました。

  • 新企画を本編動画として加えるのか、ショート動画として加えるのか
  • 既存の『しごとの授業』の取り扱いはどうしていくべきか
  • チャンネルとしての在り方はどうすべきか
  • 今自分たちが持っているもので何を生かし、何を捨てなければいけないのか
  • 何が実現の可能性が高いのか

こうした新企画を考える軸として様々なことがある中で、私が大事にしていたことは、「自分たちにできること、自分たちにしかできないこと」という軸です。この軸をもちながら、会社使命である「世界中の人々を笑顔にする」を実現できる企画は何なのか。楽しいことを考えている時間のはずなのに、企画を一人で考えている時、制作メンバーと協議している時は、まさに“暗中模索“、、、。先が見えず不安でしたし、もがいていた時間だったと思います。

そうした中で誕生した2つの新企画が「スマイル社長の名言アドバイス」と「スマイル社長の時事ネタトーク」です。両企画とも重松社長のパーソナリティを最大限に生かしつつ、『しごとの授業』の本編動画にも共通する“学び”の要素を入れこんだ企画です。現時点では、二つともまだまだ華々しい数字は出せてはいませんが、苦しんだ末に生み出した企画でありますので、これからもブラッシュアップを繰り返し、このコンテンツを成長させていきたいと思います。

まとめ

軽貨物業界全体をみても「メディア事業部」という部署は稀有の存在だと思います。だからこそ、軽貨物業界の中でも、そして、MIRAISの中でも「私にしか伝えられないこと」がたくさんあり、「私にしかアプローチできない人たち」がまだまだたくさんいると思っています。

これからも自分自身のこういった特別な役割の意味をしっかりと理解して、ひたむきに取り組んでいきたいと思います。私の存在がMIRAISや業界の文化に新たな風を吹き込み、刺激を与えられればと思います。

米光さん