ネットショッピングの普及により、宅配便の利用機会が増加しています。そんな宅配便に関して、荷物を受け取る際の受領印やサインが必要あるのかないのか、疑問に感じたことはありませんか?

本記事では宅配便の受け取りに際して、受領印やサインが必要なのかどうかについて解説します。また、近年は非対面や非接触での受け取り方法も広がっていますが、サインレスで受け取る場合の注意点についてもご紹介します。

宅配の荷物の受け取りにはんこは必要?

宅配便を受け取る際、押印やサインを求められることがあります。これは受領の証であり、荷物の受け渡しが正しく行われたことを記録するためのものです。しかし、決して法律等で受領印やサインが必須と定められているわけではありません。

運送約款における規定

各運送会社は、国土交通省が定めた『標準運送約款』をもとに独自の運送約款を定めています。

参照元:自動車:標準運送約款 – 国土交通省

この『標準運送約款』の一つである『標準宅配便運送約款』には、荷物の引き渡し方法が詳細に規定されていますが、受領印やサインの取得義務については定められておりません。

例:ヤマト運輸の約款

ヤマト運輸の『宅急便約款』では、「荷物の引き渡しは荷受人やその同居人などに対しておこなわれる」

引用元:各種約款 | ヤマト運輸

とされていますが、受領印やサインについて具体的な記載はありません。なお、同社は公式サイトで受領印・サインを省略できる旨を案内しています。

[1] 受領印・サインの省略について

ご自宅や弊社営業所で荷物をお受け取りいただく際、対面・非対面に関わらず、受領印・サインを省略することができます。

弊社セールスドライバーや受付担当者が、お客さまにお荷物をお受け取りいただいた旨を配達票に記載することをもって受領印・サインに代えさせていただきます。

[2] ご自宅での非対面でのお受け取り

弊社セールスドライバーがご自宅にお伺いした際、インターホン等でご希望をお知らせください。お客さまからのご希望に基づき、ご自宅の玄関前等のご指定いただいた箇所へお荷物をお届けいたします。

※荷物をお届けする箇所につきましては、お客さまのご指定に沿えない場合がございますので、ご了承ください。

※お電話等でのご依頼による、ご不在中のお届けについては承ることができませんので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

引用元:受領印・サインの省略および非対面での荷物のお受け取りについて(2024年6月10日更新) | ヤマト運

荷物の種類や受け取り方法によるサインの必要性

宅配便では、荷物の種類や受け取り方法によって、受領印やサインの必要性が異なります。一般的な荷物については、受領印やサインを省略して受け取ることが可能な場合が多く、郵便ポストや宅配ボックスへの配達でもサインなしで受け取ることができます。一方、代引きや書留などの配送物については、宅配ボックスへの配達ができず、直接受け取る際に受領印やサインが必要とされることがあります。

各運送会社のルール

置き配や宅配ボックスを活用して、受領印やサインなしで荷物を受け取る「サインレス」の受け取り方法が広がり始めています。非対面・非接触での受け取りニーズが高まる中、各運送会社も受領印やサインの省略等についてそれぞれルールを制定しています。

荷物の受け渡し方法
ヤマト運輸・受領印・サインの省略
・ご自宅での非対面の受け取り
(インターホンで希望の配達場所[玄関前等]を知らせる)
・PUDOステーションでの受け取り
佐川急便・(配達時に)非対面配達の希望を伝える
・玄関前など、指定場所への配達
・非対面を選択した場合は、押印・サインは不要
日本郵便・配達時に(インターホン等で)受け取り方法の希望を知らせる
・郵便受箱・玄関前等、指定場所に置いて配達完了とする
・受領印は不要
西濃運輸・希望に応じて玄関前などの指定場所への配達を実施

押印やサインなしのデメリット盗難時の補償が受けられない可能性

押印やサインなしのデメリットには、盗難時の補償が受けられない可能性が挙げられます。
サインなしで荷物を受け取った場合、荷物が盗難に遭っても補償を受けられないことがあります。これは、受領印やサインなしでも配達完了と見なされているため、配送業者の責任範囲外となってしまうためです。

まとめ

宅配便の受け取りでは、必ずしも受領印やサインが必要なわけではなく、各運送会社のルールに則った上で、受領印やサインを省略することができます。また、宅配ボックスや置き配サービスを利用することで非対面・非接触での受け取りも可能になっています。

一方で、押印やサインをしない場合、万が一荷物が盗難に遭った際に補償を受けられない可能性があるということを理解しておく必要があるでしょう。

各運送会社のルールを確認した上で、自分の生活スタイルやセキュリティ状況に合った最適な受け取り方法を選択し、安心して宅配サービスを利用できるようにしましょう。

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