今回は、元ドライバーであり、現在は現場を支える立場となっている軽貨物事業部の3名に、“ドライバー時代”を振り返っていただきました。
軽貨物運送業界に飛び込んだきっかけ、当時の課題やそれに対する工夫、そして今のドライバーとの向き合い方まで、3名それぞれの経験や観点からお話をいただきました。
経験者だからこそ語れる現場の苦労とやりがい、そして、現在にも繋がる仕事に対する姿勢など、様々な想いをお聞きすることができました。ぜひ、ご覧ください。
トークメンバー


軽貨物事業部 主任
太田 飛雄麻(おおた ひゅうま)


軽貨物事業部 主任
吉田 淳(よしだ あつし)


軽貨物事業部 リーダー
中村 公亮(なかむら こうすけ)
ドライバーになった経緯と担当されていた業務

ーー編集部:本日はよろしくお願いします。まずは、ドライバーになった経緯と担当されていた業務を教えてください。
吉田主任:私は現軽貨物事業部長の束原さんに誘ってもらったのがきっかけですね。色々な話を聞いて面白そうだなと思いましたし、当時はペーパードライバーだったので、運転もできるようになったらいいなと思い、始めることにしました。最初に担当したのは「お肉の配送」です。
卸売業者の倉庫からお肉をピックアップして、冷蔵車に乗って店舗に納品していました。
中村L:私も紹介がきっかけですね。具体的な仕事内容と報酬を聞いた上で、自分としては“割と稼げるな”と感じたので、やってみたいと思いました。最初にやった仕事は主には「企業配送」と「夜便の宅配」でした。さらに、土日のどちらかはスポット配送の案件があればそちらもやっていましたね。
太田主任:“私は前職で営業職をやっていましたが、人間関係に疲れてしまって。外出が多く一人でできる仕事がしたいと思い、ドライバーを始めることにしました。
車の運転には自信があったんですけど、最初に入らせてもらった「宅配」の現場での配送業務はかなり苦戦しましたね。
苦労したことや大変だったこと

ーー編集部:苦労したことや大変だったことを教えてください。
太田主任:“表に出て、一人でお仕事できる”というイメージだったので、開放感を味わえると思ったんですけど、実際にやってみるとかなりの頻度でチームで動くことが多かったです。
自分の荷物が終わっても隣のコースを手伝ったり、逆に手伝ってもらったり。それが“暗黙のルール”みたいなところがあって…。なので、隣のコースの顔色をうかがいながらやるという点は大変だと感じたところですね。
中村L:私は道を覚えることが大変でした。今は携帯の地図アプリとかがすごく発達していますけど、私が始めた当時は今ほどではありませんでした。ナビが付いている車も限られていましたし。
ですので、行ったことのない場所へ行こうとした時に結構苦労しましたね。
吉田主任:ペーパードライバーだったので私の場合は運転ですね…。さらに言うと、ただでさえ運転が不安な中、最初が冷蔵車だったのでそこも苦労しました。運転こわいし、後ろ見えないし…。
あとは、商品の種類やそれぞれの商品の倉庫内での配置を覚えることも非常に苦労しました。覚えていないとピックアップができず、出発できない…。商品の種類がものすごくたくさんあるので、覚えるまでは苦労しましたね。
工夫して取り組んだこと

ーー編集部:当時、工夫して取り組んだことを教えてください。
吉田主任:私の場合は、倉庫内での配置を覚えるために自分で手書きの「倉庫内地図」を作って活用していました。この場所には〇〇がある。その右側には△△があるといった形で。
それを使用することで徐々に覚えることができました。
ーー編集部:その倉庫は結構広かったんですか?
吉田主任:特別広いわけではなかったんですが、先程申し上げた通り種類がものすごくあるんですね。鶏肉、豚肉といった種類もそうですし、肉の部位、骨の部位…などなど。
あとは「ハラル認証」といって“宗教的に口にして良い商品”といった分類もあって。それを間違えてしまうと大変な問題になってしまうので、しっかり手作りの倉庫内地図に書き込んで間違えないようにやっていましたね。
太田主任:私は宅配をやっていた時、お客様に対して“挨拶+一言”のコミュニケーションを取ることを心がけて取り組んでいましたね。
自分を覚えてもらえることにつながりますし、そうすることでジュースや飴をいただいたり、当日の再配達に行かなくても大丈夫になったりといった形で、自分にとって働きやすい環境をつくれていたと思います。

中村L:先程の吉田主任と重複する部分はあるのですが、私は自分のエリアの住宅地図を大量にコピーして、気づいたこと等をどんどん書き込んで活用していました。
当時はナビの精度が今ほどではなかったので、紙地図を多用していましたが、目的地の入口や向きまではわからないことも多かったです。
そうした時に赤ペンや蛍光ペンで、「ここから入る」というのを書き込んで、次回の納品時は少しでも早く納品を終えられるようにやっていましたね。
引き継ぎをやってくれた方からも引継資料として、その方が独自で作られた地図を受け取るんですけど、わかりづらい部分もあったので自分で書き換えたり、新たに作ったりして、スムーズに配送業務を行えるようにといった感じでやってました。
今の現場をみて、思うこと

ーー編集部:今の現場をみて、思うことはどういったことですか
吉田主任:お肉配送の現場は、今もドライバーさんに稼働していただいています。ピックアップ方法や、お店から卸売業者への発注方法などは当時とほとんど変わっていません。
今もFAXでの注文受付です。
色んな場面で電子化が進んでいますが、こういったやり方が変わっていないところがあるからこそ、注文できているお店もあるのかなとも思います。
中村L:荷主さんから支給される端末はかなり進化した印象ですね。伝票の読み込みや地図に関しても1台の端末でできてしまうので、「もうあの地図はいらないんだなぁ…」と思っています…。あと、この端末を使いこなすことができれば、配送の経験が浅くても何とかできてしまうんじゃないかなと思いますね。
太田主任:“今は業務効率化を目的として、システムやアプリ等はかなり発達していると思っています。発展しているからこそ、使用する本人の判断や自主性は非常に大切だなと思います。
そういった要素によって、活躍できる人とそうでない人の差は出ていると感じていますね。
あとは、当たり前のことなんですけど、結局どれだけシステム等が発達しても、最後は“人”だと思っています。効率化できるシステムを正しく使う人もいれば、ズルをするために使う人もいたり…。その辺は使い手の判断によって、大きく変わってきているということは感じますね。
ドライバーさんとどう接していきたい

ーー編集部:今の立場でドライバーさんとどう接していきたいと思いますか?
太田主任:これについては昔から変わってないんですけど、成功例と失敗例のお話をして、メリット・デメリットをきちんと伝えることを心がけて接しています。
さらには、ライフプランなども絡ませてスケジューリングした上で、丁寧に現場に関しての説明をするようにしています。
そうすることによって、人として信用してもらえていると感じることが多いので、今後も継続していきたいですね。
吉田主任:私はドライバーさんとお互いに心を開いた関係性を築けるように接していきたいと思っています。
自分がドライバーだった時を思い返すと、自分自身に悩みがあった時に管理者の方へ相談しやすい環境だったと思います。
相談できたことで精神的に落ち着いた状態で仕事をすることができました。
どんな仕事でもそうかもしれないですけど、心の状態は仕事に影響すると思っています。
特に運転をするお仕事なので、心の状態が思わしくないと事故につながってしまう可能性もあります。こういったリスクを軽減するためにも、お互いに心を開いた関係性を構築することは大切だと思っています。
中村L:私がドライバーさんとの接し方の部分で学ばせてもらったのは、MIRAIS Techの北澤社長です。私がドライバーとして働いていた時に接することが多くありましたけど、一人ひとりのドライバーさんに寄り添う姿勢は非常に勉強になりました。まだまだそこにたどり着いてはいないんですが、私もドライバーさんの心情に寄り添えるように接していきたいと思っています。
大切にしていること

ーー編集部:ドライバーの経験があるからこそ、“大切にしていること”を教えてください。
吉田主任:私はドライバーさんと電話でお話する際に、「運転気を付けてね!」や「暑いから水分しっかり摂ってね!」などの“気遣いフレーズ”を意識して使うようにしています。
先程と重複してしまいますが、自分がドライバーだった頃、そういった一言で救われたことがたくさんあったので、大切にしていますね。
太田主任:私は“現場に無駄なことは一つもない”という意識をもつことを大切にしています。ドライバーさんとの何気ない会話も業務を円滑に進めるために必要なことだと思っています。また、ドライバーさんは現場のタイムリーな情報をもっていると思っています。
荷量の増減や荷物の変化など、そういった細かい部分も会話の中でしっかりと汲み取って、自分の営業に活かすことができています。やはりこれは自分にドライバーの経験があるからこそだと思うので、この意識をもつことは非常に大切にしていますね。
中村L:私は「運賃」の部分ですね。やはり収入に直結する部分なので、ドライバーさんからは色々とご意見をいただくことが多いです。私もドライバー時代は一番気にしていた部分です。
様々なご意見をいただく中で、必要性を感じた場合は荷主様へ運賃の交渉に行くこともありますし、逆にドライバーさんに理解してもらうように話をする時もあります。
ですので、私自身ドライバー経験があるからこそ“この業務に対して、この運賃が見合っているか”といったところは、しっかりと考えるようにしていますね。
吉田主任:もう一つ思い出しました。今、ドライバーさんが“困っていること”はかつて我々も経験したことでもあることが多いです。ですので、その困りごとに対して即解決できる答えを一つはもっていると思っています。解決に向けてアドバイスすることができると思っているので、ドライバーさんが何に困っているのかを早い段階で理解することは大切にしていますね。
【まとめ】

今回は、MIRAIS軽貨物事業部の3名に“今に活きているドライバー時代の経験”についてお話をうかがいました。最新のシステムが導入される昨今においても、現場で求められるのは、「気配り」や「つながり」といった人としての基本姿勢。改めて、軽貨物運送業における“人”の重要性を感じることができました。
また、今回ご協力いただいた3名にとっても、当時を振り返ることで、現在の取り組み姿勢について確認し合える良い機会になったのではないかと思います。
この記事が軽貨物運送業を営まれている方にとって、有益なものとなれば幸いです。


