配車連絡や売上管理、請求書や支払明細書の作成など、軽貨物運送会社の現場には日々こなさなければならない膨大な業務が存在します。その一方で、軽貨物運送業における経理・配車業務は、料金体系の多様性や取引条件の複雑さゆえ、一般的な運送業向けシステムでは対応が難しいのが実情で、日常の業務管理に関してExcel頼みのアナログ処理が続いている会社も少なくありません。

そんな業界特有の悩みを解決するために開発したのが、軽貨物運送業に特化した業務管理システム『SUNNYS』です。

今回は、軽貨物運送業ならではの複雑な業務を、ひとつのシステムでスマートに完結させることができるMIRAIS Techの新サービス『SUNNYS』について紹介していきます。

執筆者プロフィール

株式会社MIRAIS Tech

代表取締役社長

北澤 貴彦

2006年、情報処理の専門学校卒業後、独立系Slerにプログラマーとして入社。その後、ベンチャー企業にてプロジェクトマネージャーとして勤務し、2014年に退職。 株式会社FOX(現、MIRAIS)にてドライバーとして働いた後、IT戦略部長に就任。2020年、株式会社MIRAIS Tech(株式会社MIRAISの子会社)設立と同時に同社代表取締役社長に就任し、現在に至る。

■『SUNNYS』とは

軽貨物運送業を営む上で、軽貨物運送会社がやるべき業務は多岐にわたります。配車連絡や売上データの記録、請求書・支払明細書といった各種帳票書類の作成・送付など。こうした軽貨物運送会社の日常業務について、運用レベルを向上させるとともに、よりスマートに完結できるよう開発したシステムがSUNNYSです。

日々の配車連絡から月の締め作業、帳票書類の作成(自動生成)や送付・受領まで、これら一連の業務をシステム内で一括して行うことができます。

■『SUNNYS』開発のきっかけ

SUNNYSを開発するきっかけになったのは、アナログ的な経理処理に限界を迎えたことでした。弊社の親会社であるMIRAISは軽貨物運送業を主業としており、年々、事業規模が拡大するにつれて、経理ミスが増加してしまうという状況にありました。

当時の経理処理の方法は、Excelシートに手入力で情報を入れていくやり方で、どうしてもミスを防ぐことができず、さらには、処理する情報が増えていけばいくほど、それに比例して時間・労力も増えてしまうという課題を抱えていました。

こうした課題を解決するために経理システムの導入を考え、他社の運送業向け経理システムをいくつかリサーチしました。ところが、リサーチしてわかったことは、「既存のサービスで自分たちのニーズを全て満たすシステムはない」ということでした。

軽貨物運送業は、他業種と比べると料金体系や発生する費用などが非常に複雑です。荷主への請求の単価設定だけをみても様々で、日額・個建て・距離・時給など、荷主によって異なります。また、「ベースが日額で、一定時間以上は時給」といった複雑な請求単価の設定であることも珍しくありません。さらには、ドライバーや協力業者に対しての支払単価も個々で異なる金額を設定していることが多々あります。こうした軽貨物運送業の経理業務に関する特徴や特殊性に対して、既存の経理システムは「これはできるけど、これができない」というものばかりでした。

そこで気づいたことは、軽貨物運送業に本当にマッチした経理システムが存在しないのであれば、そのシステムを自分たちで開発することができれば、自社の課題を解決するだけでなく、軽貨物業界にとっても重要なサービスになり得るのではないかということでした。こうした背景から、軽貨物運送業に特化したシステムの開発をスタートすることにしました。

■『SUNNYS』の特長

①軽貨物運送業の経理業務に適したシステム設計

軽貨物運送に特化したシステムのため、運賃設定はもちろんのこと、高速道路代や駐車場代、配送現場で使用する端末代といった軽貨物運送独自の費用も細かく入力することができます。 荷主への請求やドライバーへの支払の設定に関しては、「基本単価」に加え、「超過単価」の設定なども可能なため、複雑な運賃設定であっても網羅的に対応することができます。

②日々の配車業務から月の締め作業まで、一連の業務をシステム内で完結

SUNNYS内で作成した「配送データ」をドライバーに送信することで配車を行い、ドライバーが配送完了後、Web上で「配送データ」に配送実績を入力し報告することで、売上データが日々たまっていきます。SUNNYS内に売上データが蓄積されることで、月末の締め時に行う作業がほぼなくなるため、毎月の締め作業の負担を大幅に軽減することができます。

また、締め作業後に発行する請求書や支払明細書といった各種帳票書類も自動で生成することができます。さらに、ドライバーや協力業者との帳票書類の送付・受領についてもシステム内で行うことができるため、書類の発送作業にかかる手間を省くことができるとともに、毎月の郵送代を削減することができます。

この他にも、配車状況や帳票書類の作成・発行状況をシステム内でステータス管理し、一目で確認することができるため、業務の進捗管理も簡単に行うことができます。

③取引先の基本情報もシステム内で管理

以下の取引先に関する基本情報を、SUNNYS内のマスターで管理することができます。

  • 荷主データ:荷主となる法人の基本情報を登録・管理
  • 現場データ:配送現場の基本情報を登録・管理
  • ドライバーデータ:自社所属ドライバーの基本情報を登録・管理
  • 業者データ:業務を委託する協力業者の基本情報を登録・管理

取引種別ごとに別々のファイルデータ等で取引先情報を管理している軽貨物運送会社は、SUNNYSを導入することで、取引先に関する情報を集約し一元管理することができます。

④関連法制度にも対応

経理に関わる制度であるインボイス制度に加え、近年施行されたフリーランス保護法にも対応しています。 フリーランス保護法は、軽貨物運送業と非常に関わりが深い法令となっており、軽貨物運送会社は、日々の運用の中で対応していくことが求められます。一例として、軽貨物運送会社は個人事業主のドライバーに業務を委託する際、ドライバーに対して「書面等により取引条件を明示する義務」があります。(取引条件:委託日、業務内容、報酬額、配送日等)

SUNNYSでは、配車時にドライバーに送信される「配送データ」に必要項目が網羅されているため、SUNNYSを利用して日々の配車業務を行うことで、フリーランス保護法において要求される取引条件の明示義務をクリアすることができます。 また、フリーランス保護法ではフリーランス(=個人事業主のドライバー)への報酬の支払期日について、以下の規定があります。

a)役務の提供を受けた日(=配送日)から60日以内
b)再委託の場合は、元委託者(=荷主)からの支払期日から30日以内

この規定から、「末締め翌月末払い」よりも長い支払サイト(例:末締め翌々月5日払い)で運用している軽貨物運送会社は、a)の支払期日を遵守できておらず、自社が荷主である場合を除き、b)の支払期日を遵守する必要があります。ただし、b)の支払期日を適用するためにはドライバーに対して、業務ごとに「再委託である旨」や「荷主を特定できる情報(商号、名称等)」、「荷主からの支払期日」を明示しなければなりません。SUNNYSはドライバーに送信する「配送データ」にて、これらの情報を明示することができる仕様になっています。こうした機能を設けている点も、軽貨物運送業に特化したシステムであるSUNNYSならではと言えます。

■『SUNNYS』利用料金

SUNNYSは、軽貨物運送会社の事業規模に応じた料金プランを設けています。各種プランの内容は以下の通りです。

Sプランは月額10,000円(税別)という価格になっており、まだ軽貨物運送事業を開始したばかりの軽貨物運送会社でも導入しやすい価格設定になっております。

【まとめ】

“現場で本当に使えるシステムがない”。そんな気づきが『SUNNYS』開発の原点でした。軽貨物運送業において「本当に使えるシステム」を目指し、MIRAISグループが軽貨物事業の運営を通じて長年培ってきた知識や経験を結集して開発したシステムがSUNNYSです。

こうした背景から、軽貨物運送会社の目線にたったサービスになっているとともに、“日々の業務を、もっとスマートに”というコンセプト通り、軽貨物運送会社の日々の業務管理をより正確に、効率的に行うことに寄与するサービスになっていると確信しています。

SUNNYSを軽貨物運送業界に広めていくことで、業界全体の業務レベルの底上げと効率化を実現し、社会的な信頼性の向上に貢献していけるよう努めてまいります。