『配送王』を運営するMIRAISがスポンサーを務める、サッカーJ3リーグ所属の「Y.S.C.C.横浜」。このY.S.C.C.横浜というクラブを象徴する選手の一人である西山峻太選手は、自身で「SHUNTA #25 SEAT」という社会貢献活動を立ち上げ、熱心に取り組まれています。

元教員という異色の経歴をもつ現役Jリーガーが取り組む「SHUNTA #25 SEAT」とはどういった活動なのか。

今回は、「SHUNTA #25 SEAT」の具体的活動内容や始めたきっかけ、やりがいなどを西山選手にお伺いするとともに、配送王を通してこの活動について紹介していきたいと思います。
西山峻太選手、よろしくお願いいたします。

西山峻太(にしやま・しゅんた)
プロフィール

西山峻太(にしやま・しゅんた)

1989年7月25日生 神奈川県藤沢市出身
国士舘大学卒業後、Y.S.C.C.横浜に入団し、クラブ一筋13年。2024シーズンはチームキャプテンを務める。特別支援学校で教員を務めていた経験から、子ども達を試合へ招待する活動や、サッカー・農作業を通じての交流も行う。

■「SHUNTA #25 SEAT」とは

月1回のペースではありますが、ホームゲームの際に障害を持つ方や様々な特性を持つ方、また、そのご家族様を試合にご招待させていただき、選手が座るベンチ横の車椅子スペースで試合を観戦していただくという取り組みです。

また、「よりサッカー観戦を楽しんで欲しい」という想いから、試合後は皆さんと集合写真を撮ったり、私が作っている野菜や抽選で1名様にユニフォームをプレゼントしたりといった取り組みなどもしています。

車椅子スペースでのご観戦になるため、バリアフリーでのご案内が出来たり、少し飽きてしまった場合や特性上落ち着きたい時間が必要になった場合でも、休憩スペースを設けてパズルや塗り絵を用意して過ごせるようにするなど、楽しく観戦してもらうための工夫もしています。

■「SHUNTA #25 SEAT」を始めた理由やきっかけ

クラブのおかげで夢であったJリーガーになれた反面、当時はアマチュアクラブで練習時間は夜でした。日中は教員をしながら夜にサッカーをするという日常でしたが、クラブのJ加盟に伴い、練習が午前中になり、教員を辞めるという決断をしました。

教員を務めたのは約1年弱でしたが、様々な障害を持つ子ども達と楽しく過ごした時間や出来なかった事が出来る様になった時の感動、話すのが苦手な子とコミュニケーションが図れた時の喜びなど、数え切れないほどの宝物と言える経験をさせてもらいました。また、親御さん達にもとても良くしていただきました。こうした経験や想いから「何か恩返しが出来ないか」と考えるようになりました。

また、私もJリーガーになり、毎日が勝負という世界に身を置く中で、当初は他の物事に目を向ける余裕がない数年間を過ごしましたが、サッカー選手という色々な方から応援され、支えてもらえる職業を続けている中で、「もっとこの感謝を周りに還元しないといけない」と考えるようにもなりました。

考えても行動に移せない自分が嫌になりそうに思うこともありましたが、一念発起という想いを胸に、2021年5月にクラウドファンディングを立ち上げました。これによりこの活動への想いを発信するとともに、金銭的なご支援を頂くことができ、「SHUNTA #25 SEAT」がスタートしました。

■「SHUNTA #25 SEAT」のやりがい

まず、来ていただいた方々の「笑顔」が本当に嬉しいです。

さらに、このシートをきっかけに、Y.S.C.C.横浜や西山峻太という存在を知ってくださり、シート開催日でない試合でも観戦に来ていただけたりするのは凄く嬉しいです。

また様々な特性を持つ中で、「サッカー観戦のハードルが高いと感じ、なかなか観戦のきっかけがない」という方から、「このシートがそのハードルを下げてくれている」という声をいただくこともあります。

こうしたきっかけをつくれたことは、まさにこの活動の一つの意義であり、自分の理想として求めている世界でもあるので、少しは役に立てたかなという想いがあります。

一方で、いつの間にか私が皆さんから元気を貰い、まだまだ頑張らないといけないなとも思わせてもらっています。自分が選手として活躍することが、障害を持つ方や特性を持つ方への理解をより深めてもらえるきっかけにもなると思っています。

■「SHUNTA #25 SEAT」を取り組む中で感じる課題や難しさ

新規で来てくださる方の人数を考えると、私の選手としての力不足もあり、自分のSNSでの発信や学校等でのチラシの掲示だけでは、集客や認知の広がりがまだ弱く、この部分はかなりスローペースだなと感じます。

また、資金面においてもクラウドファンディングの資金が尽きたことから、2023年からは企業さんから支援を頂く方法に切り替えました。

重松社長はじめMIRAISの皆様には、昔からクラブを応援していただいていたご縁から、このシートにもご支援いただいており、社長や社員の皆様のご理解にとても感謝しています。

ただ、このシートを通してもう少し自分の想いを体現するためには、ご支援の数は増やさないといけないと感じています。そういった企業さんに巡り会えるタイミングやご縁が足りていないので、認知という部分ではまだまだ努力しないといけないなと痛感しています。

あとはどうしてもコントロール出来ない部分として、試合の勝敗や自分の試合出場の有無という部分があり、負けてしまった試合やベンチメンバーすら入れずボールを蹴る姿を見せられなかった時は、凄く申し訳ない気持ちでいっぱいです。

■「SHUNTA #25 SEAT」の今後のビジョン

来てくれた方に、満足した気持ちで帰宅してもらえる様なおもてなしは必ずしたいと毎回思っています。

そして、間近で観戦してもらった方々が、このシートを通じて体感した熱量や感動から、何かを始めるきっかけを得たり、または、この体験がチャレンジしようとする姿勢の背中を押してあげる、そんな役割を果たせたら嬉しいです。

さらに、この取り組みの他にも農業を通じて就労支援施設を建てたいという夢もあるので、このシートに観戦に来た方と自立に向けて共にお仕事が出来る将来がきたら、より最高だなと思っています。

【まとめ】

西山峻太選手、ありがとうございました。西山選手の熱い想いと行動力に改めて深く感銘を受けました。
私たちMIRAISも行動指針の一つに「社会全体に貢献する」を掲げています。これからも「SHUNTA #25 SEAT」の活動を支援させていただくとともに、私たちにできる社会貢献活動を実践していきたいと思います。

また、この記事を通じて「SHUNTA #25 SEAT」という活動が、一人でも多くの方に伝わったら幸いです。