軽貨物配送あっせん業において、「配送案件」と「ドライバー」は、このビジネスを成立させるためには欠かすことができない両輪です。これらが単独で存在しているだけでは意味がなく、この二つが結びついて初めて収益を生み出すことができるのです。
そこで今回は、「配送案件」と「ドライバー」の獲得から、実際にドライバーの仕事がスタートするまでの過程において、MIRAISの各担当者が大切にしていることや抱いている想いなどについてお話していただきました。

トークメンバー

加賀谷 徹(かがや とおる)
戦略人事部 部長
    束原 之裕(つかはら ゆきひろ)
    営業統括部 部長
      太田 飛雄麻(おおた ひゅうま)
      千葉支店 支店長

        「配送案件」・「ドライバー」を獲得する際、大切にしていること

        より多くのドライバーに業務を委託できる可能性を高めていきたい

        ーー編集部:軽貨物配送サービスをあっせんする上でスタートとなってくるのが「ドライバー」と「配送案件」の獲得だと思いますが、まずは「ドライバー」を獲得する際に大切にされていることは何かありますか?

        加賀谷さん

        加賀谷:人事としてはドライバーを募集する際、誇大な宣伝広告をしないようにしています。

        業界的には誇大な宣伝広告が散見される傾向もありますが、弊社はそういったことは一切せず、業界や弊社のありのままの実態を常に打ち出してきました。

        そうした姿勢を大切にする中で、応募者の信頼を獲得するというところに重きを置いています。

        ーー編集部:応募の次の工程は面接だと思いますが、その際に大切にされていることはありますか?

        加賀谷:応募者の中には、ご自身でお調べになった上で応募されている方も多く、各々が仕事や業界に対して様々なイメージを持たれています。
        仮にそのイメージと実態に乖離が生じている場合は、仕事をスタートした後で不満を抱えることにもなりかねません。
        乖離があると感じられた場合には、それが埋められるのかをしっかりと考え、この話を進めるべきかどうかの判断をします。乖離が解消されない場合には、面接の時点でお断りさせていただく場合もあります。

        ーー編集部:次に、「配送案件」の獲得はどのように行っているのですか?また、その際に大
        切にされていることはどのようなことですか?

        束原さん

        束原:「配送案件」を獲得する方法としては、インターネットで調べてからテレアポで新規営業をかける方法や、既存の荷主から販路を拡大していく方法、他にも同業者からの案件依頼などがあります。
        様々なパターンがありますが、共通して意識しているのは「適正単価での受注」です。
        案件を数多く抱えていても、それを快く受けてくれるドライバーがいなければ正しい形にはなりません。
        より多くのドライバーに業務を委託できる可能性を高めていくためにも、「適正単価での受注」はとても意識しています。

        ーー編集部:ドライバーが満足して受けてくれる案件獲得を意識されているのですね。

        束原:どの配送案件に関しても一口に「良い現場」、「悪い現場」と言いきることはできません。ドライバーによって価値観も当然変わりますので、ある方にとっての「良い現場」が他の方にとって必ずしも「良い現場」になるとは限りません。
        多種多様な配送案件を獲得して、ドライバー一人ひとりが満足できる案件を提案できるよう日々努力をしています。

        現場とドライバーとのマッチングにおいて大切にしていること

        “長く続けていただきたい”そのために…

        ーー編集部:「ドライバー」と「配送案件」が揃ったら、次はこの二つを結び付けるマッチング業務に入っていくと思いますが、その際に大切にされていることは何かありますか?

        加賀谷:この段階では、委託内容とドライバーのニーズにミスマッチが起こらないように配慮することが必要だと感じています。
        ドライバーは仕事に対して意欲のある方が多いので、「1週間休みなしでも問題ない」とお伝えいただくこともあります。しかし、そうしたニーズを可としてしまうと、長期的にみて、体を壊してしまったり、モチベーションの維持が困難になる可能性が高まります。
        やはり、念頭には「長く続けていただきたい」という想いがありますので、マッチングはそうした視点で考えます。同時に、そのことをドライバーさんにも理解していただくようにしっかりと説明することも重要です。

        束原:ドライバーをやっていく中で、年齢の変化や転居などによって希望される条件が変わってくる場合がありますので、適宜ヒアリングをすることが非常に大事だと感じています。私も加賀谷同様、念頭には「長期的に働いてもらいたい」という想いがあります。
        ですので、“ドライバーが真に何を求めているのか”ということを常に考えてマッチング業務を進めるようにしています。

        加賀谷:ドライバーの要望は人それぞれですからね。報酬金額を重視される方もいれば、
        土日休みが第一条件の方もいます。

        束原:そこのヒアリングがすごく重要ですよね。

        ーー編集部:現場の最前線になる支店としては、どのようなことを大切にしていますか。

        太田さん

        太田:ドライバーの中には、「報酬の高い現場」を探されている方が多いですが、そういった現場は、拘束時間は長くなりますし、配送スキルも高いレベルを求められることが多いです。このような現場の特性や荷主からの要望に関しても包み隠さずにお伝えします。
        「報酬の高い現場」に挑戦したい気持ちはわかりますが、最初からそういった高レベルの現場に入って、果たして「長く続けられるのか」というと難しいところもあります。
        なので、私からは「まずは比較的馴染みやすいこちらの現場で経験を積んでみませんか?」という方向で話をするケースもあります。
        こういった判断をする上では、面談時にドライバーの特性をしっかりと見極めることが非常に大事だと思っています。

        ーー編集部:「見極める」というのは、具体的にどういったところを見ているのですか?

        太田:まずは、希望する業務内容と求める報酬、それから仕事に対する熱量です。これらをしっかりと聞き取り、把握することでドライバー一人ひとりに最適な現場を提案できると考えています。

        また、他にも「チームワーク」を大切にできるかといったところも重要なポイントとして見ています。マッチングした配送現場には、既に弊社所属のドライバーが入っているというケースもあります。現場では、依頼主である荷主との「チームワーク」はもちろんですが、他のドライバーとの「チームワーク」も求められます。荷主から弊社に依頼をしていただけるのは「“荷主と弊社”の信頼関係」があると同時に、「“荷主と既存ドライバー”の信頼関係」も大きいと考えています。

        こういった信頼関係を築いてきた他のドライバーとの協調性は、現場を維持するという観点でも必須だと思います。信頼関係は、一朝一夕で得られるものではありません。
        今まで長い時間を要して積み上げてきた信頼関係があるからこそ、働く現場を新たなドライバーに提案できるのだと思います。マッチングの際は、そういった全体像もお伝えするようにしています。

        配送現場スタート時に大切にしていること

        不安を取り除く

        ーー編集部:マッチング後は、ついに現場スタートになると思いますが、実際に現場がスタートする際に大切にされていることは何かありますか?

        太田:ドライバーは、このタイミングでは不安を抱えている場合が多いです。これから始まる現場でしっかりと配送をできるのか、現場での人間関係を構築していけるのかなど。
        こちらとしては、そういった不安を少しでも取り除くように動いています。また、荷主も不安を感じているケースにおいては、荷主に対してのケアも並行して行います。

        ーー編集部:ドライバーが不安に感じることはイメージが付くのですが、荷主はどういったこ
        とに不安を感じているケースがあるんですか?

        太田:配送スキルの部分はもちろんですが、一番気にされるのは「接遇対応」や「コミュニケーション」の部分ですね。この辺りはクレームに繋がりやすい部分なので、荷主も非常に気にされています。

        ーー編集部:そういったドライバーや荷主の不安を取り除くために、具体的にどのような動き
        を取られていますか?

        太田:具体的な動きとしては、私や他の支店従事者が一緒に現場に入り、しっかりとサポートをし、その現場でのルールや特性などをドライバーに直接伝えています。また、そういった取組を見ていただくことによって、荷主の不安も軽減されると考えています。

        束原:それ以外にも、仮にクレームがあった際には支店従事者がすぐに現場に向かい、当該現場の他のドライバーに対しても事象を共有するなどして再発防止に努めています。全部をドライバー任せにしておくと荷主は不安に感じるケースが多いので、その部分は丁寧な対応をしています。

        加賀谷:人事がこのタイミングでドライバーと直接的に関わることはほとんどないですが、「配送研修の際に注意すべきポイント」等の資料を、研修を担っている支店従事者に渡しています。間接的にはなりますが、ドライバーに教える側に対して、注意喚起や配送の楽しさを伝えてもらうような働きかけをしています。

        太田:弊社では各担当者がこうした取り組みを日々おこない、ドライバーをサポートする体制を整えていますので、安心してきていただきたいですね。

        まとめ

        今回は、ドライバーがお仕事を開始するまでの過程におけるMIRAISの各担当者の取組みや想いに迫っていきました。それぞれの過程において、各部門の様々な考えや動き、配慮があることがよくわかりました。
        普段、業務上のやり取りは多くあるものの、お互いが抱いている「想い」についてじっくり話し合う機会はあまりないので、各担当者にとっても良い機会になったと思います。

        最後に、今回のトークテーマは、ドライバー目線からは意識しづらい「仕事を始める前の“根”」の部分でした。だからこそ、この記事が「お仕事がスタートするまでの各担当者の“想いに触れる機会”」となってくれたら嬉しく思います。