近年、労働市場の変化やAI技術の進化により、運送業の未来について不安を抱く方が増えています。「運送業は将来なくなるのか?」という疑問もその一つです。しかし、現代社会における物流の重要性を考えると、運送業がなくなる可能性は極めて低いと言えます。
この記事では、運送業を取り巻く現状の課題と今後の展望について詳しく解説し、その必要性と将来性について見極めていきます。

「運送業がなくなる?」懸念される2つの要因
はじめに、運送業に大きな影響を与えることが懸念されている2つの要因についてご紹介します。
担い手の高齢化と人材不足
近年、運送業に従事される方の高齢化は深刻な状況です。特にドライバー職では、40代から50代の中高年層が全体の半数近くを占めている一方で、若年層の新規参入は少ない状況にあります。
このままの状況が続くと、引退される方が増えるに連れて深刻な人材不足が進行していきます。状況の改善がされないと、結果として業界そのものが維持できなくなるリスクがあります。
自動運転技術やドローン・AI技術の進歩
自動運転技術がさらに進化し、完全自動化されたトラックやドローンが物流に広く普及した場合、人間の運転手の需要は大幅に減少する可能性があります。
AI技術に関しては、顧客管理や最適なルートの組み立てといった場面で効果を発揮しているケースも増えてきているようで、管理面においてAIが担う領域が拡大していくことが予想されます。
運送業がなくならない2つの根拠
一方で、「運送業が完全になくなることはない」と考えられる根拠を2つご紹介いたします。
1.物流インフラの不可欠性
運送業は、現代社会の物流インフラの根幹を支える重要な要素です。商品や原材料の輸送は経済活動に不可欠であり、製造業や小売業、サービス業など、あらゆる産業が運送業なくしては成り立ちません。
たとえAI技術が進化しても、実際に物理的な物資を移動させるプロセスは運送業の枠組み内で行われるため、その必要性はなくなりません。
2.人的サービスの不可欠性
運送業は単なる物資の移動だけではなく、「顧客との信頼関係を築く」という重要なサービス業の側面ももっています。例えば、運送ドライバーが顧客に直接対応し、特別な要求や状況に柔軟に対応することで、顧客満足度を高めることができます。こうした人的な要素は、AIやロボティクスだけでは代替することができません。
このように、運送業は技術革新と共存しながら、その必要性はさらに高まっていくと予想されます。物流インフラの根幹を支える中で、ラストマイル配送での柔軟な対応を提供していくためには人間の判断力とサービス精神が不可欠であり、こうした理由から運送業の必要性と重要性は今後も揺るがないと言えるでしょう。
結論、運送業はなくならない!
前述した通り、運送業そのものがなくなったり、AI技術の進歩などによってそのすべてが取って代わられるという可能性は限りなく低いと言えます。
「物流インフラの不可欠性」に加え、「人的サービスの不可欠性」もあるからこそ、運送業は将来的にも人が関わる産業であり続け、その結果、存続していくことでしょう。
一方で、近い将来、AI技術の発展や技術革新が起きた場合、運送業の在り方自体が大きく変わっていく可能性はあります。今のうちからAIや身近なデジタルツールを積極的に活用し、変化に備えておくことも重要です。
