世界の水準でみると実は日本の宅配サービスは高品質であるとされています。では、「海外の宅配サービス事情はどうなっているのか?」そんな疑問にお答えして、今回は、日本とアメリカとの宅配サービスの違いをご紹介いたします。

アメリカの宅配事業者

US軽貨物ドライバー(アメリカ)

まず、アメリカで利用されている宅配業者を紹介したいと思います。
日本の宅配業者といえば、クロネコヤマトや佐川急便が有名ですが、アメリカでは主に以下の4つの宅配事業者がメジャー企業として挙げられます。

UPS

ユナイテッド・パーセル・サービス。創業110年以上続く、アメリカのジョージア州に本社を置く老舗の宅配事業者です。グローバル出荷にも対応している物流企業です。国内外の配送および海外貨物の出荷サービスを展開しています。

FedEx

こちらはアメリカだけでなく、200ヶ国以上で宅配サービスを展開する世界最大手の宅配事業者です。日本では、フェデックスの営業所が直轄している地域は直接配達を行っています。2015年12月以降は30kg以下の荷物は日本郵便が担当しています。 2021年12月時点

DHL

ドイツ発の宅配事業者で、アメリカでもメジャーな宅配事業者です。
航空機を用いた国際宅配便やその他運輸サービス、物流の一連の流れを管理し業務効率化をはかるロジスティクスサービスを扱うドイツの国際輸送物流会社です。本社はドイツのボンという町にあり、事業展開している国・地域は228カ所になります。2021年12月時点

アメリカ合衆国郵便公社(USPS)

日本語での正式名称は「アメリカ合衆国郵便公社」です。日本でいう郵便局です。
日本の郵便局との大きな違いは、郵便貯金や生命保険などのサービスは取り扱っていません。

アメリカでは置き配がスタンダード

日本では玄関先まで配達員が訪問し、直接手渡しで荷物を渡すのが一般的ですが、アメリカでは玄関前に荷物を置くのが基本です。日本のように手渡しや配送日時を指定する場合は、別途追加料金が発生します。(UPS、FedExは配達時間の指定はできません。)最近では、コロナウィルスによる生活変容の影響から日本でも「置き配」が増えつつありますが、アメリカではもともと置き配がスタンダードとなっています。

不在伝票はポストではなく、ドアに挟む

不在伝票はアメリカの宅配事業者も発行します。日本では受取人が不在の場合、ポストに伝票を投函するのが一般的ですが、アメリカでは玄関のドアに挟んだり、部屋の中に入れるのが一般的です。

再配達は消極的

日本で当たり前のように対応している宅配の再配達は、アメリカでは消極的です。各宅配事業者の再配達の対応は以下のようになっています。

UPS

3回までは再配達が可能です。3回目も受取人が不在の場合は、代金引換の場合を除きUPSの宅配センターにて、5営業日の間は荷物を保管してくれます。もし、5営業日以内に荷物を受け取らない場合は、発送元へ荷物が返送されます。

FedEx

一度だけ再配達を依頼することが可能ですが、2回再配達して不在だった場合は、発送元へ荷物が返送されます。

DHL

こちらもFedExと同様に一度だけ再配達が可能です。再配達でも不在の場合は、5営業日以内に自身で営業所まで荷物を取りにいかないと発送元に荷物が返送されます。

まとめ

物流ITイメージ

アメリカの宅配は日本とは違い、丁寧とは言い難いかもしれません。置き配が基本のため、商品の盗難や雨濡れなどのトラブルも多く散見されているようです。
一方、ドローン配送や盗難防止を目的としたAmazonのサービス「Key by Amazon」など日本ではまだ普及していないサービスも多く存在し、ITの技術で宅配サービスの未来をけん引しています。アメリカですでに利用されている技術は日本でも導入される可能性が高いです。宅配の最新技術について興味のある方はぜひアメリカの宅配サービスに関連するニュースを検索してみてください。