軽貨物ドライバーのみなさん、Amazon(アマゾン)が展開する『Key for Business』というサービスをご存知でしょうか?配達時のオートロック付きマンションへの入館がスムーズになるサービスがAmazonから登場しました。
今回は、この『Key for Business』について、サービスの概要とお届け先のお客様やドライバーにとってのメリットをご紹介します。
Key for Businessとは
Key for Business(キー・フォー・ビジネス)は、オートロック付きマンションでもAmazonの商品をスムーズにお届けすることができるようになる、Amazon独自のサービスです。
2021年3月に日本で導入が開始されました。マンションのオーナーさんや管理会社の承認を受けていることを条件に、Amazonから委託された配送業者や配送ドライバーが、専用の配送アプリを利用してマンションのオートロックを解除することができる仕組みになっています。これにより、お届け先のお客様が不在でも玄関等への置き配が可能になるというサービスです。
Key for Businessの類似サービス
Key for Businessの類似サービスとして、ヤマト運輸のECサイトの荷物が受け取りやすくなるサービス「EAZY」において、デジタルキーを利用した置き配サービスがあります。
※【関連リンク】デジタルキーを利⽤した置き配サービス | ヤマト運輸
10都道府県800棟以上のマンションに拡大
導入後、利用者からの評判もよく、Apaman Property株式会社や東急不動産ホールディングスグループなどの大手管理会社への導入も進み、2021年11月時点で、10都府県800棟以上のマンションで導入されています。
現在、対象地域は、以下の10都道府県となっています。
- 北海道
- 千葉県
- 埼玉県
- 東京都
- 神奈川県
- 愛知県
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 福岡県
ちなみに導入当初は、大東建託パートナーズ株式会社や綜合警備保障株式会社(ALSOK)をはじめとする認定パートナーの協力のもと、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県および福岡県の200棟のマンションへ導入されました。
※【参照】AmazonがKey for Businessの展開を10都道府県800棟以上のマンションに拡大|アマゾンジャパン合同会社のプレスリリース
お届け先のお客様にとってのメリット
Amazonからの荷物を待っているお客様にとってのメリットは、大きく4つあります。
- ①不在時にも玄関まで届けてくれる
- ②安全な仕組み(セキュリティ)
- ③簡単に導入できる
- ④無料で利用できる
①不在時にも玄関まで届けてくれる
玄関やガスメーターボックスなど、指定の場所への置き配を依頼することができます。玄関まで置き配が可能になることで、宅配ボックスまで荷物を取りに行く手間がなくなります。在宅時にもリモートワークや家事が遮られるということがなくなります。
※通路を塞ぐような大型の荷物など、荷物によっては置き配の指定ができないこともあるようです。
②安全な仕組み(セキュリティ)
お届け先のお客様は、配達ドライバーにオートロックの暗証番号を教える必要がありません。配達ドライバーは、複数のセキュリティシステムが組み合わさった専用のアプリを利用してオートロックの解除を行い、マンションに入館します。配達完了後は、入館権限がなくなる仕組みになっています。
安全性が担保されており、かつスムーズな荷物の受け取りが実現されています。
マンションのオートロックには、一般的にドアを制御するシステムが組み込まれています。マンションのオーナーさんや管理会社にあらかじめドアの制御システムにKey for Businessの専用機器をつなぐ許可を取ることで、Amazonと契約している委託ドライバーのみ入館ができるようになります。Amazonの公式サイトの情報では、ほとんどのマンションのアクセス制御システムに接続可能とのことです。
③簡単に導入できる
マンションの施錠箇所等について事前にすり合わせができていれば、設置工事に立ち会うことなく導入することができます。工事の所要時間は60分程度とのことです。
導入の流れ
- Amazon公式サイトから導入のお申込み
- 設置日時の日程調整
- Amazonの認定パートナー業者が現地を訪問、立ち合いすることなくマンションのドア制御システムにKey for Businessの専用機器の取り付けを行ってくれます
※ドアの種類やマンションの構造によって、接続場所は変わります。
④無料で利用できる
とても先進的で画期的なAmazonのサービスですが、導入条件が合えば、なんとKey for Businessは初期費用、月額利用費などが無料で利用することができます。なお、専用機器の接続で発生する電気代は、物件が負担するとのことです。
導入条件
- 1棟に10戸以上あるオートロック付きのマンション
- Amazonの配送エリアである
※戸数の条件や対象都道府県については変更になる場合があります。
あらかじめ物件の情報と郵便番号をAmazonに知らせることで導入が可能か調べてくれます。
配達ドライバーにとってのメリットと注意点
ドライバーは、専用アプリでスムーズにお届け先のお客様のオートロックを解除することができます。お届けする荷物を持っているときだけ、専用アプリに開錠ボタンが表示されます。そのボタンを押すことでドライバーはインターホンをならすことなく、オートロックを解除して入館することができます。入館後は置き配か、対面配達なのかといったお客様の配達指示に従って荷物を配達します。
Key for Businessの導入が進むことで、宅配BOXがないオートロック付きのマンションやタワーマンションの配達もスムーズとなり、再配達を減らすことに繋がります。
注意点としては、利用できるのはAmazonの委託ドライバーに限定されていることと、実際にKey for Businessを利用してスムーズに入館するために、ドライバーはあらかじめKey for Businessのシステムとアプリの操作を理解しておく必要があります。
Key for Businessを利用しての配達の流れ
- お届け先マンションに到着
- 専用アプリでオートロック解除操作
- Key for Businessのシステム認証 ※ドライバーIDや配達時間、ルートによる認証
- 認証に問題なければロック解除、入館
- お客様の配送指示に従い、置き配もしくは対面配達
- 配達完了 ※マンション退出後は再入館ができなくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
近年、「置き配」が普及し、さらに物流の利便性を高めるサービスがたくさん誕生しています。Key for Businessのような最新システムの導入拡大が、荷物を待っているお客様と配達を担当するドライバーの双方に与える変化は大きいでしょう。しかし、こういった最新システムを便利に利用するためには、システムの操作や仕組みを理解する必要があります。新しいシステムに対応できるように、常日頃、新しい情報は取得しておきたいですね。
※2022年6月時点の情報に基づく